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【tensorRT版】dlshogiの導入と設定手順解説

doshogi-tesorrt-760428
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dlshogiは、水匠に比べて導入手順が複雑です。

dlshogiでは、CPUではなくGPUをメインの計算リソースとして使うので、GPUの種類によって設定方法が変わります。

パソコンが搭載しているGPUがNVIDIA製(RTX3060など)の場合、tensorRT版を使うことになります。

tensorRT版のdlshogiの設定方法を説明します。

ステップ0:GPUがNVIDIA製かを確認する

dlshogiをインストールする前に、確認事項があります。

自分のパソコンが、NVIDIAのGPUを搭載しているか確認してください。

dlshogiの性能を引き出すには、できればNVIDIAのGPUを搭載したパソコンが望ましいです。

確認手順
  1. 左下の「Windowsマーク」の横の検索ボックスで「タスクマネージャ」と入力する
  2. タスクマネージャを開く
  3. 左上の「パフォーマンス」タブでGPUの情報を確認する

 パソコンに搭載されているGPUの確認手順

左下の「Windowsマーク」の横の検索ボックスで「タスクマネージャ」と入力する

dlshogi-gpucheck1

タスクマネージャを開く

dlshogi-gpucheck2

左上の「パフォーマンス」タブでGPUの情報を確認する

dlshogi-gpucheck3

NVIDIAのGPUは、こんな名前で表示されています。

例: NVIDIA Geforce RTX3070 Ti

NVIDIAのGPUではない(CPU内蔵グラフィックやAMDのGPU)場合、こんな表示になります。

例: Intel (R) HR Graphics 530

パソコンの搭載GPUについて

パソコンに搭載されているGPUは、デスクトップパソコンの場合は「NVIDIA」、ノートパソコンの場合は「Intel(Ryzen)内蔵グラフィック」なことが多いです。

ステップ1:dlshogiをインストールする

まずはdlshogi本体をインストールします。

dlshogiをインストールする

それではdlshogiのインストール方法です。

まずはGitHubでdlshogiのページを開きましょう。

dlshogi-downlord
GitHub(ギットハブ)はソフトウェアを公開・管理できるサービスです。無料でダウンロードできるソフトには、大体GitHubが使われています。

 

Assetsのところで、dlshogi-wcsc32.zipをダウンロードします。

ダウンロードすると、ブラウザの左下にダウンロードしたファイルが表示されます。

dlshogi-downlord-2

 

ダウンロードしたdlshogiのzipファイルは、好きな場所に展開してください。(例:デスクトップやドキュメント)

デスクトップに「将棋」フォルダなどを作るといいと思います。

dlshogi-extract1

これにて dlshogiのインストールが完了です。

ステップ2:関連ソフトウェアを導入する

dlshogiのインストールが終わったら、dlshogiで必要なソフトウェアを導入しましょう。必要なソフトウェアは、「CUDA」「cuDNN」「TensorRT」の3つです。

dlshogiのインストールと利用手順
  1. CUDAをインストールする
  2. cuDNNをインストールする
  3. TensorRTをインストールする

CUDAをインストールする

続いて、CUDAをインストールしましょう。

GPUは通常、画面描画用に利用しますが、dlshogiではGPUを計算で使いたいです。

CUDAをインストールすると、NVIDIAのGPUを計算に使うことができます。

CUDAとは、NVIDIAのGPUを計算用に使うためのソフトウェアです。
CUDAはNVIDIA専用のソフトなので、他のGPU(AMD製)では利用できません。
CUDAをインストールすることで、NVIDIAののGPUを計算リソースを最大限発揮することができます。

CUDA Toolkit Archiveページを開きます。

第32回世界コンピュータ将棋選手権バージョンが対応しているのは、CUDA11.1なのでCUDA11.1.1を選びます。

dlshogi-cuda-install1

CUDA11.1.1 を押すと、パソコンのバージョンなどを選ぶ画面になります。

画面のように、順に選んでいきます。

dlshogi-cuda-install2

3.1GBもあるので、ダウンロードに割りと時間がかかります。

ダウンロードが終わったら、exeファイルを開きます。

dlshogi-cuda-install3

exeファイルを実行すると、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というウィンドウが出てくるので「はい」をクリックします。

次のセットアップ画面では、解凍パスを指定できます。
特に変更せずに「OK」をクリックします。

dlshogi-cuda-install4

「OK」を押すと、CUDAのセットアップが始まります。
何もせずに待ちましょう。

dlshogi-install5

システムの互換性チェックがされています。
これも自動で完了します。

dlshogi-cuda-install6

この後、ソフトウェアの使用許諾同意画面になります。
スクロールして一読したあと、「同意して続行する」をクリックします。

dlshogi-cuda-install7

「同意して続行する」を押すと、インストールオプション画面になります。

「高速」になっていることを確認して、「次へ」をクリックします。

dlshogi-cuda-install8

「理解して、インストールを続行する」と英語で書いてあります。

チェックを入れて、「NEXT」をクリックします。

dlshogi-cuda-install9

しばらく自動でインストールが進みます。
特に操作せず待ちます。

dlshogi-cuda-install10

「次へ」をクリックします。

dlshogi-cuda-install11

次の画面になったら、インストールは完了です。

続いて、cuDNNのインストールをしていきましょう。dlshogi-cuda-install12fin

NVIDIA アカウントを作成する

cuDNNとtensorRTをインストールするために、NVIDIAアカウントを作る必要があります。

すでにNVIDIAアカウントを持っている場合はそのアカウントを使えばいいので、次の「cuDNNをインストールする」に進みましょう。

持っていない場合、こちらのページからNVIDIA アカウントを作成できます。

アカウントに使うEmailアドレスを入力し、「NEXT」ボタンをクリックします。

nvidia-account1

次に、パスワード入力画面になります。

nvidia-account2

入力のやりかたはこんな感じです。

入力手順
  1. パスワードを入れる
  2. 同じパスワードを手打ちする
  3. チェックを入れる
  4. チェックを入れると画像問題が出てくるので回答する
  5. クリックしてざっと目を通す
  6. 「Create Account」を押す

「Create Account」をクリックすると、入力したメールアドレスに確認メールが届きます。

入力したメールアドレスの確認が必要になりますので、確認メールを開きます。

nvidia-account5

届いた確認メールを見て、「電子メールアドレスの確認」ボタンを押して、有効化します。

有効化すると、画面が進みます。

nvidia-account6

特に何もせず、「登録する」をクリックします。

次に、利用者情報を登録する画面になります。

ある程度適当に埋めても大丈夫です。

nvidia-account7
入力項目
  • ①-1 first Name(名前):名前を入力する
  • ①-2 Last Name(名字):名字を入力する
  • ①-3 Job Role(役職):役職を選ぶ 
  • ①-4 Organization/University Name(機関名/大学名):適当に入力でOK
  • ①-5 Organization URL(機関のURL):任意なので入力無しでOK
  • ①-6 Industry(産業分野):分野を選ぶ
  • ①-7 Location(国):国を選ぶ
  • ②Development Areas of Interest (関心のある分野):1~3個チェックする
  • ③submit(提出):②まで埋めたら押す

「submit」を押して、下のような画面になればログインが成功しています。

cuDNNのインストールに進みましょう。

nvidia-account8-fin

cuDNNをインストールする

cuDNNをダウンロードするには、NVIDIAのdeveloper(開発者)プログラムメンバーになる必要があります。

簡単にできますので、まずはdeveloperプログラムに登録しましょう。

NVIDIAのdeveloperプログラムに登録する

まずは、cudnnのページを開きます。

開いたら、「Downlord cuDNN」をクリックします。

cudnn-install-membership1

Developerプログラムに登録している場合はインストール画面になります。

こちらの「cudnnをダウンロードする」に進みましょう。

cudnn-install-membership2-2

Developerプログラムに登録していない場合、登録が必要です。

「Join Now」(今すぐ登録する)をクリックします。

cudnn-install-membership2

「submit」(登録する)をクリックします。

cudnn-install-membership3

これでDeveloperプログラムへの登録が完了です。

Developerプログラムに登録できているかは、右上のアカウントマーク(人のアイコン)から確認できます。

cudnn-install-membership4

cuDNNをダウンロードする

Developerプログラムに登録したら、cuDNNをダウンロードします。

cuDNNのアーカイブページを開きます。

cudnn-install1

dlshogiで使うのは、CUDA11.1に対応したcuDNNなので、cuDNN v8.2.1を選びます。

「Download cuDNN v8.2.1 (June 7th, 2021)」をクリックします。

cuda-install2
cuDNNのバージョンを選択する
  1. 「Download cuDNN v8.2.1 (June 7th, 2021)」をクリックする
  2. cuDNN Library for Windows (x86)」をクリックする

ブラウザの左下に、zipファイルがダウンロードされたら成功です。

場所はどこでもいいので、ダウンロードもしくはデスクトップなどに展開します。

この後は、cuDNNをCUDAのインストール先に配置していきます。

cuDNNをCUDAの下に配置する

cuDNNは、CUDAの下の正しい場所に配置する必要があります。

ダウンロードしたcuDNNのファイルを、CUDAフォルダの11.1以下にそのまま貼り付けることになります。

まずはエクスプローラで、CUDAのフォルダとcuDNNのフォルダを開きましょう。

cudnn-install-place1
ファイルの配置場所の例

・CUDAのフォルダはC:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v11.1

・cuDNNのフォルダは展開した場所の例:C:\Users\【ユーザ名】\Downloads\cudnn-11.3-windows-x64-v8.2.1.32\cuda

操作の手順です。

まずcuDNNのフォルダを開き、\Downloads\cudnn-11.3-windows-x64-v8.2.1.32\cuda以下の全ファイルを選択します。

全選択は以下のどちらかの方法でできます。

bin 、 includelib 、NVIDIA_SLA_cuDNN_Support.txtの4ファイルを、コントロールキーを押しながらクリックする

②「Ctrl+a」(コントロールキーを押しながらaキーを押す)→「Ctrl+c」(コントロールキーを押しながらcキーを押す)

cudnn-install-place2

貼り付けようとすると、確認のウィンドウが出ますので「すべての項目にこれを再実行する」にチェックを入れ、「続行」をクリックします。

cudnn-install-place3

「続行」を押すと、CUDAフォルダの下にcuDNNが貼付けされます。

これで、cuDNNのインストールは完了です。

cudnn-install-place4

続いて、TensorRTのインストールに進みましょう。

TensorRTをインストールする

dlshogiでは、tensorrt7を使います。

tensorRTとは?

NVIDIAが提供する、ディープラーニングモデルのランタイムモジュールです。
NVIDIAのGPUを使って、高速な推論ができます。

まずは、tensorRTのダウンロードページを開きます。

tensorRT 7をクリックします。

tensorrt-install1

初回はアンケートが求められますので、適当に回答します。

回答が終わったら、「submit」(提出)をクリックします。tensorrt-install2

「submit」を押すと、インストールするバージョンを選ぶ画面になります。

tensorrt-install3

「I Agree To the Terms of the NVIDIA TensorRT License Agreement」(ライセンス項目に同意する)にチェックを入れるとバージョンが選べます。

「TensorRT 7.2.3」の「TensorRT 7.2.3 for Windows10 and CUDA 11.1 & 11.2 ZIP package」をクリックします。

tensorrt-install4

ダウンロードしてきたZIPファイルは好きな場所に展開します。

今回は、C:\Tools\に展開することにしました。

展開の手順はこんな感じです。

tensorrt-install5
展開の手順
  1. ダウンロード:ダウンロードをクリックする
  2. TensorRT-7.2.3.4.Windows10.x86_64.cuda-11.1.cudnn8.1.zipを選択する
  3. 上の方で「圧縮フォルダツール」をクリックする
  4. 「すべて展開」をクリックする
  5. 展開先のフォルダを選ぶ(今回はC:\Tools\ を指定)
  6. 「展開」をクリックする

展開後、このようになっていたら、tensorRTのインストールは完了です。

続いて、環境変数の設定をしていきましょう。

tensorrt-install6

環境変数を設定する

関連ソフトウェアのインストールは終わりましたが、環境変数でパスを設定する必要があります。

環境変数パスとは?

Windowsがプログラムを探すときに、名前で探せるようにする設定です。
CUDAの場合、cuDNNやtensorRTを探して使いますので、環境変数パスの設定が必要です。

まずは、Windowsの設定を開きます。

左下のWindowsマークから、「設定」をクリックします。

dlshogi-kankyou-path

設定画面が開きます。

「システム」をクリックします。

dlshogi-kankyou-path2

システムの画面で、以下のように環境変数を開きます。

dlshogi-kankyou-path3
環境変数の開き方
  1. 左下の「詳細情報」をクリックする
  2. 右側の「関連情報」のうち、「システムの詳細設定」をクリックする
  3. 開いた「システムのプロパティ」で下側の「環境変数」をクリックする

環境変数が開いたら、こちらの2つのパスを追加する必要があります。

  1.  CUDAのbin:C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v10.2\bin
  2. tensorRTのlib:C:\Tools\TensorRT-7.0.0.11\lib (C:\Toolsに展開した場合)

これらは、エクスプローラで開き、パスのコピーをすると確認できます。

dlshogi-kankyou-path5
環境変数の開き方
  1. 「ローカルディスク(C:)」をクリックする
  2. TensorRT-7.2.3フォルダの、libまで移動する
  3. 上部分の窓を押すとパスが表示されるのでコピーする

TensorRTと、CUDAのパスが分かったら、環境変数に追加します。

dlshogi-kankyou-path4
環境変数の追加のやり方
  1. ユーザー環境変数の「Path」をクリックする
  2. 「編集」をクリックする
  3. 右側の「新規」をクリックする
  4. CUDAとtensorRTのパスを追加する

追加後はこのようになりました。

dlshogi-kankyou-path6

編集が終わったら、「OK」を押して、 ウィンドウを閉じます。

この後、パソコンを再起動しましょう。

環境変数の修正は、再起動されないと適用されない

将棋GUIに登録してdlshogiを使う

関連ソフトウェアのインストールと環境変数の編集まで終わったら、dlshogi導入はほぼ終わりです。

このあとは、将棋エンジン(将棋GUIか将棋所)にdlshogiを登録していきます。

まずは将棋GUIを開きます。

まだ将棋GUIをインストールしていない方はこちらの手順で導入してください。

shogigui-760428
将棋GUIの導入方法と使い方!棋譜解析と対局ができる将棋ソフトを使う場合、ほとんどのケースで将棋GUI(将棋処)を利用します。 将棋GUIはを使えば、AIとの対局や棋譜解析ができて将...

 

「ツール」→「エンジン設定」をクリックします。

dlshogi-shogigui-touroku1

「追加」を押すと、追加するエンジンの場所を聞かれるので、dlshogi_tensorrt.exeを指定します。

選択したら「開く」をクリックします。

dlshogi-shogigui-touroku2

次に、パラメータ設定画面になります。

こちらのページの説明を参考に、数値をいくつか推奨設定に変更します。

 

こちらの2つの数値は調整しておくほうがよいです。

DNN_Batch_Size検討用に使うなら256にする。デフォルトで128。

次のUCT_NodeLimithは、利用するメモリの量を指定します。

UCT_NodeLimitパソコンのメモリが16GBなら5,000,000(500万)
パソコンのメモリが8GBなら2,500,000(250万)
くらいにする。
デフォルト(1,000万)の設定だと「2kB×1,000万=20GB」の20GBを使用する恐れがある。

2つの数値を変更したら「OK」をクリックします。

dlshogi-shogigui-touroku3

エンジンについても「OK」をクリックします。

これでdlshogiのエンジン登録が完了です。

将棋GUIでdlshogiを対局や検討に使ってみてください!

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Q & A

こちらのページの最後に記載しています。

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【2022年最強将棋ソフト】「dlshogi」のインストール法・使い方紹介将棋といえば、将棋ソフトですね。 Abemaやテレビの棋譜中継でもだいたい使われています。 将棋ソフトは最近すごい速度で開発...

まとめ:dlshogiの導入方法は複雑だが、GPUを活かして強力!

dlshogiはGPUを使った計算で強力な将棋AIです。

ぜひRTX3070以上の強力なGPUを搭載したパソコンで、dlshogiをフル活用してください!

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